- 3秒にひとり5歳になる前の子どもが命をうしなっているって本当ですか?
- 本当です。
開発途上国と呼ばれる国ぐにでは、1年間に970万人の子どもたちが5歳をむかえる前に命をうしなっています。これは1日に約2万6500人、3秒にひとりという割合です。命をうしなう原因の多くが、かぜがひどくなって起こる肺炎や、げりがつづいておこる脱水症状(だっすいしょうじょう)など、予防したり、なおしたりできるものなのです。
- 栄養不良の子どもたちはどれくらいいますか?
- 全ての5歳未満の子どもの死因の半数は栄養不良が関係しています。開発途上国の子どもの4人にひとりは栄養不良。栄養不良は子どもたちを病気にかかりやすくしたり、病気をなおりにくくしたりします。
栄養不良の原因は食べものが足りないことだけではありません。お母さんの栄養がじゅうぶんでなかったために赤ちゃんがおなかの中でよく育たない、家族が栄養についてよく知らないために食事が栄養のかたよったものになってしまう、家族が畑や家の仕事にいそがしいために子どもの食事をつくる時間がとれず、食事の回数がへってしまうなど、いろいろなことが原因になっています。
- どうして学校に行けない子どもたちがいるのですか?
- 学校に行きたくても行けない子どもが世界には9,300万人以上います。
また、多くの子どもたちが学校を途中でやめています。その原因は地域やその子どもの状況によっていろいろです。
たとえば…学校が遠い/先生がいなかったり、先生の教えることがよくわからない/家の手伝いのために学校に行く時間がない/家族の生活を支えるためにはたらかなければならない/学校で差別や暴力をうける/両親が学校に行ったことがなく、教育の大切さがわからない/教科書や学用品が足りない/女の子だからという理由で学校へ行かせてもらえない…などがあげられます。
- ストリートチルドレンって何ですか?
- 家が貧しかったり、親に育ててもらえなくなったために、都会の路上ではたらいたり生活したりしている子どもたちのことをストリートチルドレンといいます。
くつみがきをしたり、新聞や花を売ったり、交差点で自動車の窓ガラスをふいたり、にもつ運びをしたり、ごみすて場から売れるものをさがしてきたり、自分にできることをさがしてはたらいています。昼間、街ではたらき、夜は家に帰る子どももいれば、完全に家をはなれ、路上で生活している子どもたちもいます。こうした子どもたちは、犯罪にまきこまれたり、麻薬のぎせいになってしまったり、とても危険な状況におかれています。
- 子どもなのにどうしてたいへんな仕事をしなければならないのですか?
- 現在、開発途上国では、5~17歳の約1億5,800万人の子どもたちが過酷な労働をしいられています。貧しい家族の生活を支えるため、時間と手間のかかる家の仕事を手伝うため、親の借金をかえすため、など、子どもたちの多くが自分たちも生きていくためにはたらかなければなりません。
そして、子どもだからと安いお給料しか払われなかったり、1日何時間も休みなくはたらかされたり、学校に行くこともできなかったりしているのです。
- 兵士にさせられている子どもがいるって本当ですか?
- 本当です。
現在、25万人の子どもたちが兵士として使われていると推定されています。子どもたちは命令にしたがうことしか教えられず、ときには人を殺さなければなりません。戦いの最前線で危険なしごとをさせられ、命をうしなう子どももいます。
兵士として子ども時代を過ごすと、平和なときがきても、どのように人を信じたり、なかよくすればよいのかわからなくなってしまうこともあります。
- 戦争に巻きこまれている子どもはどれくらいいるのですか?
- 1990-2000年に起こった戦争で命をうしなった子どもは200万人以上います。からだに障害を負った子どもは600万人、住む家をおわれた子どもが2,000万人、家族と引きはなされ、ひとりぼっちになった子どもは100万人以上にもなります。
また、戦争の中でつらい体験をしたために心に傷を負った子どもたちは、1,000万人以上いるといわれています。
- 子どもの権利条約って何ですか?
- 世界中のすべての子どもたちがもっている“権利”について定めた条約です。
「子どもの権利条約」では、(1)生きる権利(2)育つ権利(3)守られる権利(4)参加する権利を守るように定めていますが、戦争に巻きこまれてしまったり、防げる病気で命をうしなってしまったり、つらい仕事で1日が終わってしまったりと、厳しい現状におかれている子どもはいまだ多く存在しています。
協力:財団法人日本ユニセフ協会