TAKE ACTION FOR HAITTI 被災者支援レポート 第一弾
一般財団法人TAKE ACTION FOUNDATION では、2010年に行われた「TAKE ACTION FOR HAITTI」による収益金をWFP国連世界食料計画(WFP)の公式支援窓口である国連WFP協会へ寄付いたしました。その寄付金のおよそ半分は、現地にてトウモロコシと大豆の粉を混ぜて作られる栄養強化食品であるCSB(Corn-Soya Blend)の購入に役立てられました。残りの寄付についても、引き続きWFPがハイチで行う復興支援活動に活用され、飢えに苦しむ人々に配布される食糧の購入に充てられる予定となっています。
WFPのハイチにおける支援活動
国連唯一の食糧支援機関であるWFPは、2010年の1月12日にハイチを襲った大地震直後、被災地において食糧支援活動を開始しました。6週間後の2月には、400万人がWFPの食糧支援を受けました。
現在は緊急食糧支援の段階を終え、長期的に食糧事情を安定させるための、復興支援に移行しています。この長期に渡る支援活動には、最も弱い立場にある人たちが十分な栄養を摂れるようにするセーフティーネットの構築、および現地の食糧市場の強化などが含まれ、WFPはハイチ政府、自治体、そしてNGOと協働し、毎月、200万人に食糧支援を行っています。
深刻な栄養不良
ハイチでは5歳未満の子どもの栄養不良や、妊娠中および授乳中の女性、小学校児童における微量栄養素(ビタミンやミネラルなど)の不足が深刻な問題となっており、子どもたちの実に31.7%が慢性的な栄養不良の問題を抱えています。子どもたちの飢餓を改善するためには、お母さんたちの栄養状態を改善することが不可欠です。女性の飢えと栄養不良は、その子どもにも影響を及ぼし、世代から世代へと引き継がれます。
WFPは6ヶ月~59ヶ月の乳幼児、妊婦、および授乳中の母親を対象に栄養強化プログラムを行っており、2010年は345,000人がCSBや栄養強化ペースト、栄養ふりかけなどの食糧の配給を受けました。2010年の5月に実施された調査によると、こうしたWFPの支援によって、震災後のハイチにおいて人々が危機的な栄養状態に陥るのを防ぐことができたことが分かっています。
TAKE ACTION FOR HAITTIによる支援によって、妊娠中の女性や授乳中の母親など、およそ4,000人もの人々が1ヶ月間、栄養たっぷりの食事を摂ることができました。
<支援の現場から>
ハイチ南部ジャクメルにある健康センターでは、大勢の 女性がWFPの食糧支援を待っています。まだ幼い息子を腕に抱き、ポーチに佇むジェスラさんも、TAKE ACTION FOR HAITTIの支援で購入された栄養強化食品(CSB)を受け取る母親のひとりです。ハイチの首都、ポルトープランスの南西およそ50キロに位置するこの港町は、地震によって甚大な被害を受けました。WFPの食糧配給を待つジェスラさんとジャッキンソン君
ジェスラさんは、震災後の2010年12月、4人目の子どもとなるジャッキンソン君の出産のために訪れた病院で、WFPの支援について知りました。栄養不良に陥る一歩手前の状態だったジェスラさんは、出産すると同時にWFPの栄養強化プログラムに参加しました。
ジェスラさんは、WFPの支援を受けるようになってから力がつき、生まれたばかりのジャッキンソン君はもちろんのこと、ほかの3人の子どもたちの面倒をみる活力が湧いてきた、と話しています。
WFPは、栄養強化プログラムのほか、学校給食プログラムやフード・フォー・ワーク(労働の対価としての食糧支援)などを通じて引き続き、ハイチの復興支援を予定しており、TAKE ACTION FOR HAITTI による残りの寄付金も同活動に活用される予定です。
2011年6月15日