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中田英寿が再び南アフリカを訪問「11 for AFRICA」現地活動レポート

12月3日(現地時間)に、南アフリカ・ダーバンから車で3時間のところにある、最初のボール配布教育活動実施場所のエンフベーニ中等学校を訪れたTAKE ACTION FOUNDATION代表理事の中田は、校長のKhumaloさんと現地のユニセフ教育担当官Nokuthulaさに迎えられました。

学校案内と現状説明をうけた中田は、この学校の問題は、保護者のほとんどが貧しく定職についていないこととHIV/エイズが蔓延していることから、社会経済的に疲弊し、非常に地域が貧しくなっていることだと改めて実感。そのため、多くの生徒がエイズで両親を亡くしているため通学にも支障をきたし、出席率も下がっているとのこと。

そのことから南アフリカ政府の教育省は、この学校を"最も支援を必要としている学校"のひとつに認定し、この日、「11 for AFRICA」のボール配布教育活動プロジェクトの実施と至りました。

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子どもたちとミニサッカーを楽しむ

プログラムは中田より、「イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク/ボンバー 」と「TAKE ACTION FOUNDATION」のロゴが入ったサッカーボールが子どもたちにプレゼントすることからはじました。

この教育活動の一番のポイントであるサッカーボールの配布。通常は、生徒が興味をなかなか持たない"エイズの知識"や"ごみのポイ捨て反対"などのライフスキルの授業を、ボールが配られゲーム形式で行われることで子どもたちは学校へ積極的に出席し、ゲームに参加。また、多くの子どもと一緒にサッカーをはじめとしたゲームに参加することでチームワークの大切さや我慢することを学んでゆくそうです。

中田が実際に見学した授業は、フラフープを使ったエイズの知識を身につけるゲーム、チームワークの大切さを学ぶシャトル・ラリー、生徒たちの大きな目的でもあるサッカーゲームなど6タイプのライフスキルの授業でした。

最初は、日本からの訪問者に緊張していた生徒たちもボールが配られるととたんに元気になり、規律は守りながらも歓声をあげ、最後は、中田もミニサッカーへ参戦し女子高生グループと一緒にプレー。華麗なプレーに子どもたちも喜んでいました。そうして、中田も子どもたちも、この日に南アフリカで開始された「11 for AFRICA」プロジェクトを楽しみました。

11forafrica_3.jpg一方で、教育プログラムで一緒にサッカーをした少女の自宅を訪問した中田は、子どもたちに起きている実際の問題を目の当たりにし、このプログラムのもつ意義を実感しました。

16歳のフンディスワ・マンイェニさん(写真中央)は、父親をエイズで亡くしたエイズ遺児であり、母親は失業中で家族全員女性であることで経済的に厳しい状況におかれています。現地のユニセフ担当者によると、「南アフリカではこのような状況である子どもたちが多い」とのこと。

■フンディスワ・マンイェニさん

「小学生のときは、まだ私たちの学校にこのスポーツプログラムは紹介されていませんでした。小学生が終わるころに、紹介されてとても楽しむようになりました。なぜなら、自分の家庭が、時々、すごく困難な状況になっていたから・・・」

「多くの友だちと一緒にスポーツをするのがとても楽しい。スポーツを楽しんでいるときは、ストレスを感じないので、自由を感じるし、幸せです。現在、家庭で抱えている困難な状況を忘れることもできます。それが、私がスポーツに熱中している理由です。私の夢は、もし、学校を卒業してお金をもてるようになったら、自分のスポーツのチームを持ちたいです。なぜなら、スポーツがとても好きだから。スポーツは、私の人生に多くのものをもたらしてくれたし、私の人生を前向きに変えてくれました。」

「11 for AFRICA」プロジェクトの意義につて、ユニセフ現地担当者のNokuthula Prusentさんは以下のように語りました。
「彼女の状況は、このボール配布教育活動を通じて子どもたちが共通して感じていることです。家族や環境を変えることは難しいが、スポーツによって、気持ちを前向きに変えることができます。」

11forafrica_4.jpg中田英寿コメント <ボール配布教育活動「11 for AFRICA」の意義について>
「今回、レベルファイブさんと"イナズマイレブン"という小学生にとても人気のゲームソフトで<11 for AFRICA>という社会貢献の取り組みをやらせてもらえてよかったです。社会貢献は、子どもうちから普通のこととして、慣れ親しむというのはとても重要なことだと思う。

今回、1本売れたら11円寄付という形で実施してもらいましたが、このように社会貢献の仕組みが子どもたちに自然な形で入り込んでいて、あとで子どもが自分で気づくというのは影響力が大きい。
色々な国を回って、本物のサッカーボールを見たこともない子どもたちというのは本当に沢山いることがわかったことと、今回、3万個以上のサッカーボールの寄付になるが、ボールの数以上の子どもたちがサッカーをできることようになるというのはすごいと思うし、この結果が広がっていくことを期待したい。」

※実際の商品の正式名称は、 「イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク/ボンバー 」です。

中田英寿コメント <ワールドカップ招致・意義に関して>

「今回、南アフリカにきて改めて感じたが、ワールドカップの一番の問題は、ワールドカップが始まるまではいろいろなものにお金をかけて造ったり整備したりするけど、ワールドカップ後のことをしっかり考えられていないことだと思う。
今回の南アフリカ訪問のタイミングで、ちょうどワールドカップ開催地が2018年のロシアと2022年のカタールに場所が決定していたけれど、決定した国はもちろん、プレゼンテーションした国々が、ワールドカップ終わった後のプレゼンをどのように行っていたのかが気になっている。終わった後のビジョンがやはりとても大事なことだと思う。これまでのワールドカップでは、開催して終わりというような印象を強く受けているから。」

「今回の「11 for AFRICA」のボール配布教育プロジェクトでもそうだが、やはり、サッカーが社会にいい影響を及ぼすというのが大事だと思う。ワールドカップは顕著にその影響力を発揮できると思う、だからこそ、ワールドカップが終わった後どうするのかまでしっかり考えるべき、そう意味合いも含めて、この<11 for AFRICA>は寄付がワールドカップが終わった後になるが、南アフリカでやりたいと考えた。」

「ワールドカップが終わりではなく、始まりであるべきだと思うから。」


Photo:(C)Georgina Goodwin


2010年12月 7日