活動レポート:湘南ベルマーレJ1昇格記念試合「We're back」
「TAKE ACTIONが独りよがりの活動ではなく、より多くの人を巻き込んで多くの人に伝えていける。今日の試合にハイチ大使やサッカー協会の犬飼会長が来てくれたことは大きな意味のあること。」
試合終了後の記者会見は、ジャン・クロード・ボード駐日ハイチ大使同席のもと行われました。
中田は、12年ぶりに平塚のピッチに立ったこと、ハイチ支援への想いと、TAKE ACTIONの活動についての手ごたえを語りました。また、ジャン・クロード・ボード大使は、この日のすばらしい試合とハイチ支援への協力に感謝の辞を述べ、そしてサッカーの可能性について語りました。
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【会見の内容】
Q1 災害発生から1ヶ月ですが、今日の黄色いユニフォームに込めた思いを聞かせてください。
中田:
まずは、今日ここにハイチ大使が来ていただけたことに大変嬉しく思いますし、感謝したいと思います。
TAKE ACTIONという活動を始めてからこういった突発的な災害に対してどう対応していくのか
僕は何ができるかなと考えていたところ、ハイチで地震が起こり、そしてそこにベルマーレとタイミングよく話がありました。今回のユニフォーム、グッズに関して出来る限りハイチを連想できるようなもの、明るいイメージのものをと思って取り組みました。
Q2 財団設立から1年、今日のようなビックマッチも活動としてやられてますが、今日の試合で得た手ごたえ等ありますでしょうか?
中田:
今日の試合で僕にとって一番大きいのは、ここにハイチ大使が来てくれるような試合になったということ。
さらに当然のことながら、(日本サッカー協会の)犬飼会長が来てくれたことっていうのはそれにプラスして大きな意味のあること。
何故かといえば、僕の独りよがりの活動ではなく、より多くの人を巻き込んで多くの人に伝えていける、それがサッカーの持つ力だと思うし、そのマスが広いのがサッカーだと思います。
サッカーの試合をする事ではなくて、周りをどう巻き込んでいくかというのが僕の活動の要点。
そういう意味では非常に良かったと思います。
Q3 久しぶりのベルマーレサポーターの前でのプレーとなりましたが、観客席からはヒデコールもありました。今日の試合、どんな思い出プレーされましたか?
中田:
まずは、このベルマーレ平塚というのはプロを始めたチームであり、また、ベルマーレでなければその後の僕のキャリアもなかったと今でも思っています。
12年ぶりに帰ってきてまたこのピッチでプレー出来るとは思ってもなかった。
周りのサポーターからの声、競技場やピッチの中からの風景、ロッカールームから出て行く感じ、今でも自分の気持ちの中に残っていて、そういうものを噛みしめながら非常に懐かしく感慨深いものはありました。
Q4 12年前のワールドカップの時に、「ワールドカップが盛り上がったので今度はJリーグもよろしくお願いします。」という中田さんの言葉が印象的だったのですが、今でもJリーグはご覧になっていますでしょうか?
中田:
僕は、サッカーはやるもので見る方の人間ではないのですが、当然、やる場所がなければ仕様がない。
その為にも日本のJリーグ、しいては日本代表等も含めたサッカー界が盛り上がらなければやれる場所もなくなってしまうし、そういう意味ではいつも気にしてます。
その中でベルマーレも昇格して、J1で戦うというのは見る機会を増やす理由でもあるし、もっとフォローできることがあればとは思っています。
Q5 今までTAKE ACTION FC.での活動で、試合で勝たなければ意味がないとおっしゃっていて今日の試合でのプレーを見ていて比較的お客さんを楽しませよう、というプレーが多かったように思えたのですが、なにか今日の試合に関してはいつもと違う点はあったのでしょうか?
中田:
試合で勝たなければいけないというのは、勝つような気持ちで、勝てるような心構え・準備ということで、本気でやらなければいけない、ということを言いたかった。
一番重要なのは会場に見に来てくださった方々が盛り上がり、楽しめること、それが第一です。
選手がちょっとふざけたことをやるっていうのも盛り上がりのひとつです。こういう試合だからこそ
やっていけることも沢山ある。
サッカーの幅を広げる意味でも楽しませるプレー、行動といったことを考えるのは重要だと思っています。
Q6 まだハイチ震災被害者の苦難は続いていると思いますが、中田さんは実際に現地に行かれる計画は?
中田:
実際にこういった活動をする上でもまずは現地を見ることが一番大事だと思うので、機会があれば是非とも行ってみたいと思っています。ハイチ大使が招待してくれれば一番嬉しいんですけど。
大使:
中田さんがよろしければいつでも喜んでご招待します。
ハイチの皆さんも喜んで中田さんを迎えてくださると思います。
もちろん、今回のゲームでの経済的支援というのはありがたいのですが、それよりも団結した皆様の暖かい支援に私どもは大変感謝したいと思っています。
今回の地震によってハイチ国民にもたらされたトラウマ、これを乗り越えるためにこのような支援というのは本当にありがたく思っています。
<大使への質問>
◆今日の試合をご覧になっての感想をお聞かせください。
今回はお招きいただきとても感謝しています。自分自身もサッカー選手だったことがあるので、今回ゲームを観て皆さんの持っている実力に関心しました。
◆ハイチ緊急救援の今日の試合に豪華なメンバーが集まり、観客もほぼ満員ということになりましたが、中田さん、またサッカーの持つ力を改めて感じたのではないでしょうか?
もちろん、ハイチ国内でもサッカーというのは私たちの重要な文化のひとつでありますし、
TAKE ACTIONチームの方に関しましては、現役時代の活動は私自身見ることが出来なかったのですが、皆さんが活躍されていることに感銘を受けました。
◆今日の試合、日本サッカー協会の犬飼会長と一緒にご覧になったと思うのですが、何かお話されましたか?
はい、確かに会長とお話させていただきました。
会長は、今回のゲームに関してやる気を見せてくださいました。
みなさんご存知のようにサッカーは世界をひとつに出来るものと思っております。
それに関して、中田さんにも感謝しております。
2010年3月31日